2014年11月11日火曜日

ニートの妄想仕事日記



3Dレースゲーム作成のチームの仕事にありつけた。
3Dで表現された地形や岩などのオブジェ。
これらのポリゴンの重要な箇所にフラクタル図形のパラメータを設定するのが今の私の仕事だ。
データ制作の役職。

私の仕事はこんな感じでユーザーに届く。
ユーザーの車から遠くにある地形や岩は、ポリゴンの板にテクスチャを張られたものがそのまま表示される。
車の近くにあるものは、フラクタル数式で設定されたデコボコがポリゴンに適用され一枚のポリゴンが数式に従った形でより細かく分割されて表示される。

数式によるでこぼこはごくわずかだ。

このゲームでは車のタイヤやボディと地形の物理演算は、車の乗っている地形ポリゴンとそのポリゴンに設定された数式から発生する。
その結果視覚によるゲーム画面の地形のでこぼこと数式により発生した地形のデコボコが一致する。

真っ平らなポリゴン平面の上を微積分で走る旧来のレースゲームでは
臨場感をもたらすために、地形のテクスチャででこぼこ感をごまかしている。
本当は真っ平らな三角形の上をタイヤが滑っているだけなのに。
もちろん完璧な平面の上を滑る快感は否定できない。
人間はスムーズなもの、線形なものに快感を感じる。


このゲームでは新しい模索として、本当に地形のでこぼこが発生するのを売りにする予定らしい。

社内のA氏は今回のゲームに反対している。
彼は地形という名のポリゴンの角度と接続、摩擦係数の設定だけで、素晴らしいコースを作り上げてきた名手だ。
コース一周を写像をとれば、コーナーの曲率、傾斜、摩擦を一列に並べた芸術品のようなものだ。
この3つをどう並べればどんなコース体験をユーザーに提供できるかを熟知している。
細かい地形設定は、滑らかな面の上を走るユーザーの快感を阻害する障害物になるだけだという。

A氏の言うことももっともだ。
これが本当にユーザーに受け入れられるかはわからないがこの技術にもある程度のメリットはある。

地形に設定されているのは数式のパラメータだけなのでゲーム容量は抑えられ。
また近くのポリゴンだけが細かく表示されるので、画面で使われる総ポリゴン量は安定する。
計算量はあるが、ハードディスクに限界があるモバイル製品向けに制作された技術だという。


私は休日には現実の山やダートコースになりそうな場所をめぐり現実の地形のでこぼこを調べる。
フリー参加の身としては休日も返上するくらいは仕方ない。

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